「体育館住宅」の本領は、将来にこそ発揮される。子供が小さい時は、親の部屋だけ囲って、あとはカランとした大広間で、バスケットのかごを取り付け、子供とバスケットの練習をしたり、アクティブな、まさしく体育館なのだ。次第に子供が成長すると、勉強する場所も夫の書斎も欲しい。物も増えてきて納戸も欲しいといった要望が次々と出てくる。家族は生き物であり、全体が成長しているのである。そんな時、ハタハタと二階の床を張り、洋服タンスなどの収納家具で仕切って部屋をつくっていく。
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もともと住まいの外郭ができているから工事は簡単だし、他人に迷惑もかからない。間取りも簡単にできるので、父親の日曜大工でも可能だ。このように狭い狭いといっている住まいも、暮らしを優先して考えると広々とする。家族は時間と共に成長し変化する。当然、住まいもそれに対応すべきなのだ。親の寝室は当初と変わらないが、このように体育館広間が次第にリビング、書斎、納戸、子供部屋と仕切られていって、その空間が別々の用途の新たな空間となる。まさしく家族の成長変化(ライフサイクル)に応じた、空間の重ね利用といえよう。