住宅戸数の充足とより良い住まいへの欲求の高まりをバックに、昭和六十一年度からスタートした第五期住宅建設五ヵ年計画では、良質な住宅ストックと住環境の形成をめざして、最低居住水準と誘導居住水準とを設け、平成二年度までの計画期間中に全世帯が最低居住水準を、平成十二年(西暦二〇〇〇年)までに半数の世帯が誘導居住水準を確保できるようにするという目標を掲げた。昭和六十三年『住宅統計調査』によると、最低居住水準未満の世帯は全世帯の九・五%、三五七万世帯(昭和五十八年より二八万世帯減)残っており、誘導居住水準未満の世帯は六八・二%、二五五三万世帯となっている。
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この誘導居住水準は、住宅を都市型(マンション)と一般型(一戸建て)とに分け、それぞれの面積水準とほぼ共通な居住室と性能・設備の水準を設けている。居住室の水準をみると、(1)夫婦寝室を確保し、四〜一一歳以下の子供には二人一室でもよいが別の寝室を、一二歳以上には個室を確保する。広さは主寝室一三平方メートル、副寝室一三平方メートルまたは一〇平方メートル、七・五平方メートルとする、(2)食事室と台所を確保し、広さは人数に応じ、食事室が五平方メートル、七・五平方メートル、一〇平方メートル、台所が五平方メートル、七・五平方メートルとする、(3)二人以上の世帯には居間を確保し、広さは人数に応じ一〇平方メートル、一三平方メートル、一六平方メートルとする。(4)高齢者には専用の居間を設ける、(5)一戸建てでは以上のほかに多様に使える余裕室を設ける。性能・設備面では(1)専用の浴室・洗面・トイレ(水洗)、洗濯スペース、(2)暖房・冷房・給湯設備を確保する。(3)換気・採光・結露防止・遮音・省エネについての適正な水準、(4)防火、防犯、構造強度、転倒転落・ガス漏れなどの防止についての適正な水準を確保する、(5)局齢者には専用の洗面・トイレを確保し、収納スペース、安全性に配慮する、(6)マンションにはバルコニーや玄関回りの広さ、収納スペース、自転車置き場などを確保し、五階建て以上はエレベーターをつける。二〇〇〇年をめざしたこの誘導居住水準は、高齢化社会に備えたゆとりあるものとなっているが、これから建てられる住宅は当然二一世紀につながるものであり、近い将来欠陥住宅とされないためにも、この水準は確保しておくべきだろう。